九州理学療法士学術大会2023 in熊本
テーマ「理学療法の原点と多様性の追求」
我が国は、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えております。昨今では『人生100年時代』と言われるようになりました。この『人生100年時代』においては、「教育・仕事・老後」という3ステージの単線型の人生ではなく、マルチステージの人生を送るようになると言われています。また、長い人生を通して家族の在り方も変化していくことでしょう。100年という長い期間をより充実したものとするためには、生涯にわたる学習が重要で、スポーツや文化芸術活動・地域コミュニティ活動などに積極的に関わることも、個人の人生や社会を豊かにすることに繋がると言われています。私たち理学療法士にとっても更なる変化が求められています。
私たちの身分法である理学療法士及び作業療法士法が制定された昭和40年以降、私たちを取り巻く環境は大きく変化してまいりました。その過程においては、理学療法士としての基本的視点に立って、評価・分析そして課題解決のための様々な手技手法等をもって常に真摯に対象者に寄り添って参りました。一方では、専門性の追求と拡充、エビデンスの構築などの努力も重ねてきました。「痰の吸引」や「予防」についても対応の範囲として認められるようになりました。活躍の場も医療・保健・福祉・介護の領域はもとより、その枠を超え各種産業界や行政へと広がりを持ちつつあります。
振り返れば、私たちは常に理学療法士としての「原点」を大切にしながらも、時代の変遷に対し柔軟かつ多様的に対応し続けています。その事を踏まえ、これからの時代、何が必要なのか、何をすべきなのか、九州の理学療法士の方々と語り合い、そして、次の世代へ繋ぎたいという思いから今回のテーマを「理学療法の原点と多様性の追求」と致しました。
これからの変化はこれまでの変化より更に加速し拡大してくると思います。いかなる変化の波が押し寄せても、理学療法士としての「原点」を大切にし「多様性」をもって柔軟に対応し、理学療法士としての力を十分に発揮し得れば、必ずや道は開かんと強く思うところです。
理学療法士が50年後、100年後においても輝ける職業であるために、次の展開を見据えながらも基本に立ち返り、今何を考え、どう行動するかを共有できるような学術大会としたく企画致しました。
九州理学療法士学術大会2023 in熊本
大会長 坂崎 浩一